概要から抜粋: 本研究は「振動発電素子の長期信頼性改善のためのエレクトレット劣化メカニズム解明」と題し、IoT無線センサ等の自立電源として有力視されているMEMS型環境振動発電の効率と信頼性を高める研究として、①発電機能材料であるシリコン酸化膜由来のエレクトレット(永久電荷膜)の電荷密度が経時変化するメカニズムを分子動力学的手法で解明する。また、②特性劣化を抑制する手段として、エレクトレット材料の表面保護膜による還元性ガス拡散の防止や、エレクトレット膜中へのバリア層挿入によるシリコン基板側からのキャリア侵入抑制などの対策を施し、その効果を検証する。さらに、これらの知見と対策を活用して、③65℃で−1dB劣化までの時間が10年以上の高信頼性エレクトレット振動発電素子を実証する。