アクチュエータの高電圧駆動

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静電マイクロアクチュエータの特性(高速動作、大変位)は、駆動電圧を高くするほど改善されます。しかし、高電圧回路をわざわざ外付けプリント基板で製作してマイクロアクチュエータを駆動する方法は大量生産向きではありません。また、MEMS素子数が数千個と大規模化すると、回路とMEMSチップ間の電気配線をワイヤボンドで行うことが困難になります。ここで、MEMSアクチュエータと高電圧駆動回路を集積化する技術が必要になります。

MEMS技術の画像ディスプレィ光変調器応用

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高電圧集積回路と一体化したMEMSデバイスの応用例として、画像ディスプレィ用のレーザ光強度変調器を研究開発しています。幅数ミクロン、長さ数百ミクロン、厚さ8ミクロンの単結晶製のブリッジ(両端支持梁)をDRIE加工して数百〜数千本のアレイ状にします。静電駆動によって、ブリッジの間隔を局所的に変化させると、ピッチ可変型の回折格子(グレーティング)として機能します。この方法により、レーザー光の回折光の方向と強度に変調を掛けて、ライン状の1次元パターンを形成します。このパターンを別のスキャナ(ガルバノミラー)で横方向走査することにより、平面的な画像を投影します。

回折格子による空間光変調

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左の写真は、静電駆動中のMEMSグレーティングと回折光の様子を示したものです。グレーティングのON/OFF動作により、波長630nmの光の±1次回折角度を6.6°から3.3°の間でスイッチできました。

MEMS駆動用40Vレベルシフタ

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耐圧40Vの高電圧CMOS技術(東芝)を用いてレベルシフタ(高電圧用のスイッチ)アレイを試作しました。出力40Vの立ち上がり時間として2マイクロ秒が得られています(スルーレート 20 V/us)。現在、このレベルシフタと上のMEMSグレーティングを大規模集積する技術を研究中です。

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Last-modified: 2008-05-31 (土) 15:20:59