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日本学術振興会 最先端・次世代研究開発支援プログラム(平成22~25年度)

  • Funding Program for Next Generation World-Leading Researchers
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集積化MEMS技術による機能融合・低消費電力エレクトロニクス

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  • Integrated MEMS Technology for Multi-functional Low Power Electronics

MEMSは次世代のエレクトロニクス産業にMore-than-Moore的な付加価値を与える技術として注目されています。しかしながら、集積化MEMSにはCMOS分野に見られるような標準化設計・製作技術がまだありません。本研究室では平成22年度から4年間、日本学術振興会の最先端・次世代研究開発支援プログラムの枠組みで、集積化MEMSのための「使い勝手の良い」マルチフィジクス設計技術と大口径ウエハと整合性のよいMEMSポストプロセス技術を産学連携で研究開発しています。

はじめに

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MEMSがまだ「シリコンマイクロマシニング」と呼ばれていた頃は集積回路プロセスとの整合性が低く、エレクトロニクスとメカニクスの融合には多大な困難を伴いました。現在ではシリコン系での材料整合性は良くなり、むしろエレクトロニクス側からメカニクス的な要素を取り込む動きがあります。しかしながら、エレクトロニクス技術者から見て、MEMSはまだまだ敷居が高いようです。その理由は、回路設計者が使いやすい解析技術が無いこと、MEMSでは材料・プロセス・動作原理まで垂直統合型の理解が必要なことが挙げられます。本研究では、これらの障壁を極力下げるための技術を開発しています。

回路シミュレータ型のMEMS統合解析

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回路設計者にMEMSを扱って貰えるように、電気回路シミュレータ(Qucs, LTSpice, Cadence) をベースにしたMEMSアクチュエータ・センサの統合解析手法を開発しました。この原理は、機械系の運動方程式を解くアナログコンピュータをPC上の等価回路モデルで置き換えたものです。このため、MEMSの機械的な挙動と、それを駆動・検出する電気回路系の挙動を統合的に解析することが可能です。

MEMS分野ではこれまで、機械構造の3次元メッシュモデルを有限要素法・境界要素法で解く手法が主流でした。この手法と回路解析を組み合わせるには、機械系のデータを回路シミュレータに手渡す必要があります。これに対して本研究の手法では、単一の回路シミュレータ上で機械と電気系の解析が可能なので、システム全体の挙動を把握するのに適しています。本研究は、NTT-ATとの共同研究として実施中です。

集積化MEMSポストプロセス手法

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集積回路とマイクロメカニカル構造を融合するプロセスは、これまでにも多数報告されています。本研究グループでも、集積回路製作後にシリコン基板表面をマイクロ加工する方法や、回路上にメッキ金属で構造を積層する方法などを検討してきました。プロセス開発では、将来にわたって使って貰えるスケーリングのある技術に取り組む必要があります。そこで今回は、集積回路ウエハが大口径化しても追従できるように、有機系のドライフィルムをウエハに貼り付けて、それをマイクロ構造やパッケージングに使う手法を導入することにしました。これにより、たとえば、集積回路上に可変容量や電源管理用パワーゲートスイッチなどをポストプロセスすることが可能になります。

出口イメージ

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今回実施中の「最先端・次世代研究開発支援プログラム」では、グリーン・イノベーションのための出口イメージが求められています。本研究では、集積化MEMS技術によるLSI用の集積化パワーゲートスイッチや、MEMS共振子のためのロバストな制御回路、高周波無線通信機器用の可変容量素子などの、従来のソリッド・ステート素子ではなしえなかった機能をMEMSの「メカ」的な動作で実現する手法を研究します。また、従来のMEMSにはなかった頭脳を新たに導入する研究に取り組みます。


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Last-modified: Mon, 29 Apr 2013 21:43:08 JST (1459d)