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ラボ教員がsantec株式会社との産学連携研究成果により、井上春成賞を受賞しました。
井上春成賞は、国立研究開発法人科学技術振興機構の前身のひとつである新技術開発事業団の初代理事長であり、工業技術庁初代長官でもあった井上春成氏がわが国科学技術の発展に貢献された業績に鑑み、新技術開発事業団の創立15周年を記念して創設された賞です。
The 43rd Inoue Harushige Prize is presented to the lab faculty due to the academic-industrial collaboration.
OCT*1とは、光の干渉を利用して深さ方向の戻り光強度を探りながら(Aスキャン)、ビームスポットを横方向に走査して(Bスキャン)断層画像を取得する光学技術です。従来のOCTでは深さ方向の走査速度が遅く、1画素の計測時間内にビームスポットが横に流れて、鮮明な画像が得られませんでした。 本研究では、MEMS技術*2を用いてOCTの深さ方向スキャンを高速化し、動く生体試料や高速で流れる工業製品でも高分解能で可視化する技術を開発しました。
OCTには参照ミラーを動かして干渉計を調整する手法(左:時間領域OCT)と、可変波長による干渉光を高速フーリエ変換して画像を取得する手法(右:波長走引OCT)が知られています。本研究ではMEMS光スキャナを用いて後者をさらに高速化しました。
従来の波長走引OCTの光源には、モーターで回転するポリゴンスキャナが使われていました。本研究ではこれを静電駆動型のMEMS光スキャナで置き換えて、波長走引速度(深さ方向のスキャン速度)を5倍以上に高速化しました。
高速OCTの利点として、同じフレームレートであればより高解像度の画像が撮れます。また、動く生体試料や製造ラインの製品を短時間で可視化できます。
このパネルではsantec株式会社と東京大学生産技術研究所との共同研究成果を紹介しています。