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豊橋技術科学大学でMEMSの基礎と応用に関する集中講義(2コマ)を実施しました。
講義で説明した平行平板型静電アクチュエータには、変位が初期ギャップの1/3になる点で可動電極が対向電極に吸引されるプルイン現象が知られている。このことを、静電引力の式を用いて説明せよ。
F = (1/2) ε0 S V2 / ( g - x )2
ε0 : 真空の誘電率
S : 平行平板電極の面積
g : 平行平板電極間の初期ギャップ
x : 可動電極の変位(ギャップが狭くなる向きに正)
V : 印加電圧
なお、バネの復元力には、
F = k x
k : バネ定数
を用いてよい。
静電駆動力の基本は、電荷Q1とQ2の間に働くクーロン力で記述できる。
F = 1 / (4 π ε0) Q1 Q2 / r2
r: 電荷間の距離
静電引力と静電斥力の違いは、Q1とQ2の符号だけで決まり、引力と斥力には本質的な違いはない。ところが、MEMS分野ではさまざまな静電引力アクチュエータの事例はあるが、静電斥力アクチュエータの研究例はほとんどない。この理由に関して、自分の考えを述べよ(正解はひとつだけとは限らない)。